連載44 今回ももぎとった48議席目


 
今回ももぎとった48議席目
 
 
 
 
 
朝の6時前まで
 
 参院選の開票が進む中、日付が変わった。テレビ朝日の「選挙ステーション・第2部」での出演が終わった。午前3時になろうとしていた。公明党の獲得議席はその時点で選挙区2、比例代表6の計8議席だった。
 
 党本部へ戻ってテレビの開票速報を見る。NHKの画面の下に、各党の獲得議席が映し出されている。右端の残り議席は「1」のままだ。
 
 改選議席121のうち、選挙区の73議席と比例代表の47議席は既に確定。48番目、いわゆる“最後のイス”の攻防は続いていた。党本部選対のスタッフがシュミレーションしても、「このままだと49位です」との答え。
 
 比例代表は各党の得票を1、2、3…と整数で順次割り、割った得票数の多い順から議席を配分する。ベルギーの法学者、ビクトル・ドントが考案した計算方法なので「ドント式」と呼ばれる。そして、ドント式の48議席目を自民・民主・公明で争っていた。
 
 未明のNHKの開票速報は、各選挙区の結果や当選者のバンザイのシーンを淡々と流している。1時間、2時間と時は過ぎる。テレビ画面の下の「残り」は相変わらず「1」のまま。
 
 朝の6時になろうとした時だった。「比例代表の最後の議席が決まりました。公明党の魚住裕一郎さんの当選です」とNHKアナウンサーの声。ウトウトしていた眼を見開いて、画面を見た。「残」は「0」になり、公明の獲得議席の所は「8」から「9」に変わっていた。
 
 「やった!」「魚住さんが当選」。何度もバンザイを繰り返した。
 
 最終確定票を見てみると、48位の公明は110万8903票。49位の民主との差はわずか1463票。公明が獲得した約776万の比例票のうち、約1万票少なければ49位に落ちていた。まさに「薄氷を踏む」といった当選だった。  
 
指定席なのか?
 
 実は比例代表の48番目の当選は前回も前々回も公明党だった。そして今回も“最後の当選”をもぎとった。比例代表の48位は公明党の“指定席”なのかと思ってしまう。
 
 だが、この1議席は全国の支持者の皆さんが執念でつかんでいただいた議席だと思う。
 
 今回の参院選は与党に逆風で、わが党も議席を減らした。次回はギリギリの48位ではなく、余裕の当選を目指したい。次の選挙戦はもうスタートを切っている。
 
 
 
 
 
 
 
 

(平成19年8月7日付 夕刊フジより転載)
 
 

2017年02月20日