連載77 対立避け共通項探すのも政治


 
対立避け共通項探すのも政治
 
 
 
 
 
 
みの発言に共感
 
 消費税の議論の最中だった。
 
 「民主党、公明党、自民党のなかでも政策に関して相容れるところがあったら、政策協定をしてでも、きちっと消費税の問題は決着をつけないと、国民は納得できない」
 
 みのもんたさんが言った。「その通りだな」と私も思った。
 
 先月24日の早朝。TBSの〈みのもんたのサタデーずばッと〉の放送中のことだ。
 
 みのさんは話し続けた。
 「じゃあ、公明党から総理大臣が出ましたよ。それでもって話し合う。消費税に関してはスパーンと決まる。国民にとって一番いい形っていうのは、そうやればできるんじゃないですか」
 
 これまで同番組に何回も出演し、みのさんの鋭い突っ込みで、タジタジになったことが何度もあった。
 
 「公明党から総理」。私は一瞬、耳を疑った。お世辞だったかもしれないが、公共の電波で、「公明党から総理」と発言したのは、これが初めてではないか。
 
 今や“朝の顔”として、世論形成への影響が大きいみのさん。「みのポリティクス」という言葉さえある。
 
 みのさんは月曜から金曜TBSの〈朝ズバッ〉に出演。これは情報政策局が担当し、情報番組の位置づけなので、いわゆるワイドショーだ。
 
 一方、土曜の〈サタデーずばッと〉は報道局担当で報道番組の扱い。そういえば、みのさんは月~金はノーネクタイ。土曜はいつもネクタイをしている。
 
 〈サタデーずばッと〉にはよく呼ばれ、昨年は22回出演した。2週に1度のペースになる。
 
 これまでも番組中に、「福祉党の公明党が…」と、みのさんが前置きして発言することがよくあった。
 
 福祉について公明党に期待する一方、その福祉について、「公明がもっとやってもらわないと」という厳しい指摘と私は受け止めていた。
 
 今回は、さらに踏み込んだ「総理」発言。これまでも、みのさんは「なぜ与野党が話し合わないのか」と何度も語っていた。
 
 消費税問題もそうだ。国民にとって最大の関心事といっても過言ではない。
 
 解散・総選挙が近くなると、どうしても各党の主張が激突しがちになる。もちろん、国民からみれば各党の主張の違いがはっきりした方が、選択しやすい。
 
 だが、対立ばかりして政治が停滞することも、多くの国民は不満に思っている。
 
 その意味では、互いに話し合い、解決策を提示することも重要ではないだろうか。違いを競い合うのも大切だが、共通項を探すのも政治の醍醐味だ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(平成21年2月4日付 夕刊フジより転載)
 
 

2017年02月20日