連載84 話の腰折る”投げ飛ばし”反省


 
 
話の腰折る“投げ飛ばし”反省
 
 
 
 
 
政治家は人の話を聞くことが重要
 
 ある新聞に聞き上手のアナウンサーの話が掲載されていた。
 
 《せっかちにならず、5秒我慢する。相手が『話の腰を折られた』と思ったら、そこで会話が終わってしまう》
 
 この記事を読んだ妻が私に言った。「お父さんにはこれが必要ね。いつも『話の腰を折る』どころか、『話の腰を投げ飛ばしてくる』から…」
 
 そう言われれば、家族との会話で途中で割り込んでいる自分がいる。私が学生時代に柔道をやっていたことと、かなり強引に話に割り込む状況を“投げ飛ばす”と表現。思わず「うまい」と思うとともに、反省しなければと痛感した。
 
 人の話を聴くことは政治家にとって重要だ。自らの考えを訴えることより、むしろ聞くことの方が難しいかもしれない。
 
 17日の日曜の朝。テレビ朝日の「サンデープロジェクト」に出演した。「6党論客が大激論」と銘打って、民主党代表選について討論した。
 
 ところが、番組が始まると、人の話に途中で割り込む場面の多い事。話の腰を折るどころか、話の頭から遮ってくる。
 
 何度もテレビの討論番組に出ているが、「いかに人の話を聴かずに、しゃべり続けるか」に命を賭けている(?)ような議員も見かける。
 
 一方、司会者も人の話を聞かずに割り込む場面も多い。
 
 本来の「討論」は、自らの考えを主張するだけでなく、相手の主張に反論をする。ということは相手の話を聴かないと反論もできず、「討論」が成り立たない。
 
 
小沢的「議論しない」は大問題

 「サンプロ」に出演した日の各紙朝刊は民主党代表選の論評が出揃った。読売の橋本五郎・特別編集委員が「小沢政治」の特徴として「その根底にあるのは『議論しない』です」と指摘していた。さらに「小沢さんの功績は、ばらばらの民主党を一本にまとめたことだとよく言われます。でも、それは議論を封ずるという重い代償を払っての結果なのです」と厳しく論じている。
 
 「話の腰を折る」のも問題だが、その話さえしないのはもっと問題だ。新体制になった民主党だが、小沢氏は代表代行に就任した。“小沢的”な「議論しない」はどうなるだろうか。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(平成21年5月20日付 夕刊フジより転載)
 
 

2017年02月20日