菅政権で国民の夢も紙切れか
―年末ジャンボの季節―
師走のこの時期、風物詩の一つに「年末ジャンボ宝くじ」がある。1等2億円。前後賞も合わせると3億円。暗い世相の中、この「年末ジャンボ」に夢を託している人も多いのではないか。実はわが家も妻が毎年、キチンと買っている。だが、まだ1等は当たったことがない。しかし、「買わなきゃ当たらない」と私は妻を励まし(?)、購入を続けている。
11月末の発売初日のニュースで、必ず放映されるのが東京・中央区の西銀座チャンスセンターだ。最も多くの「年末ジャンボ」1等を出す売り場で、行列が絶えない。特に1番窓口の人気は凄まじく、1時間以上並ぶことも珍しくないという。
昨年の12月もあと数日となった日だった。JR有楽町駅の近くでの仕事を終えチャンスセンターの前を通った。行列がほとんどできてない。一度はこの人気窓口で買ってやろうと思っていただけに、「ラッキー!」と心を躍らせながら窓口に向った。
やはり、2億円より前後賞合わせた3億円だよな。そのためにはバラで買うより“連番”だよな」と財布から3000円を取り出した。
「連番で10枚!」と威勢よく窓口で私。
「あのー、ジャンボは昨日で終ってしまったんですけど、いいですか」と売り場のおばさんの返事。
「えッ。昨日で終了…」
そうだよな。チャンスセンターがこんなにすいているわけないよな…と妙に納得をした。
「今日から発売の宝くじもありますが、どうします?」
普通の宝くじを買ってもな。やはり年末ジャンボでないと、などと自分に言いきかせ3000円を財布に戻した。
年末ジャンボを買うと、大みそかまでの期間、「当たったらどうしようか」と多くの人が夢を見ることができる。
一方、政府・民主党は今、夢どころか現実の世界の中、来年度の予算編成と「小沢問題」で七転八倒をしている。
先週末、政府は予算の収入部分にあたる来年度税制改正大綱を閣議決定した。「企業に減税、家計に増税」という内容。各マスコミも「理念なき税制改正」「選挙を意識した目先の思惑」などと厳しい論調を展開している。
「国民の生活が第一」と訴え、国民に“夢”を与え政権交代した民主党政権。大みそかの抽選で多くの「宝くじ」がただの紙切れになるのと同じように、年末の予算案決定で国民の“夢”は散りそうだ。
(平成22年12月22日付 「夕刊フジ」より転載)