体も財政もダイエットに苦心中
脱メタボ効果でトマト品切れ続出」
先週金曜日の夕刊フジ3面の記事だ。
「脱メタボ」の活字に敏感に反応するサラリーマン諸氏は多いのではないか。
私も思わず記事に見入ってしまった。
何でも10日付の米オンライン科学誌に京大の研究グループが、トマトの脂肪燃
焼効果を掲載したことがきっかけのようだ。マウス実験だが、人間の食事に換
算すると生トマトなら1食に2-3個、トマトジュースなら1食に200ミリリッ
トルで、脂肪を燃焼させる遺伝子を活性化させるらしい。
夕刊フジによると、店頭ではトマトが品切れになったり、カゴメの株価が先週
は上昇しているという。
だが、ちょっと待てよと思う。自称「健康オタク」の私。実は毎朝、トマトジュ
ース1缶(200ミリリットル)を飲み続け5年以上になる。ところが、腹周りの
脂肪はいっこうに減っていないのだ。
ダイエットに関してはこれまで様々な挑戦をしてみた。何度か体重を減らし、
ウエストをしぼることに成功するのだが、しばらくすると元に戻ってしまう。
そこで私なりに悟ったことが、楽をしてダイエットはありえないということ。
やせる原理は簡単だ。摂取カロリーより、燃焼カロリーが上回れば、脂肪は燃
焼する。昨年はこの原理に基づいて、1日1万歩と30分以上のウォーキングを
最低1日1回実行。その結果、何と半年で7キロの減量とウエスト8センチ減
に成功した。ところが、昨年秋から衆議院予算委員会の理事に就任したころか
らウォーキングが途絶えた。
今月に入って来年度予算案の審議がスタートした。NHKのテレビ中継は基本
的質疑2日間と、テーマごとに開催する集中審議に限られる。しかし、それ以
外の日も朝9時から夕方5時まで、昼1時間の休憩をはさんで開かれ、座りっ
ぱなしの毎日。ウォーキングどころではない。
昨年、苦労して減った体重は、あれよあれよという間に戻っていく。燃焼しな
いなら、摂取を控えればいいのだが、座っているだけでも腹は減ってくる。絵
に描いたようなリバウンドだ。
予算委員会は理事や委員のほか、閣僚も座り続けて大変だ。そういえば体型的
にメタボ気味の野田首相も少し丸くなった気もするが、体重はどうなのだろう。
消費税増税の前に、行政改革をはじめ身を切らなければならないと誰もが言う。
だが国の財政のダイエットはなかなか進まない。野田首相は自分のダイエット
以上に苦労しているようだ。
(平成24年2月22日付 「夕刊フジ」より転載)