クールビズ 衆院本会議場ナゼNG
しかも冷房25度!!
6月に入り、衣替えのシーズンとなった。地球温暖化対策としてのクールビズも、スタートして3年目を迎えた。通勤電車の中も、オフィス街もノーネクタイ姿が目立つ。中には律儀にスーツにネクタイをビシッと締めたサラリーマンもいるが、汗っかき、暑がりの私からすれば、「よく我慢できるなあ」と感心する。
そもそも湿度の高い日本の夏。しかし、サラリーマンは汗を流しながら、ネクタイ、スーツ姿で頑張っていた。2年前の夏、クールビズが導入された直後の解散で行われた「郵政選挙」。私はクールビズで選挙戦を通した。3年目に入ったクールビズもだいぶ定着した感がある。国会も6月1日からクールビズがスタートし、議員も官僚もノーネクタイ姿で歩いている。
だが、衆院本会議場だけは、上着、ネクタイ着用が義務付けられている。つまり、クールビズが1カ所だけ認められていない。ちなみに参院の本会議場はクールビズ0Kという。
クールビズ期間の6月から9月まで、国会内は空調が28度で設定しているが、衆院本会議場は25度になっている。これは河野洋平・衆院議長の意向で、本会議場は品位を重んじなければならないらしい。
「参院は0Kで、なんで衆院はダメなんだ」と思っている衆院議員は私だけではあるまい。衆院の本会議は通常、火、木、金の午後1時から。午前中は委員会の審議などがあり、ノーネクタイですごし、本会議場に向かう前にネクタイを締める。
先日も、ギリギリで本会議に駆けつけた同僚の議員が、ノーネクタイで議場に入ろうとしたら、衛視(国会内の警備をする人)に止められた。胸の内ポケットからネクタイを取り出し、あわてて締めていたが、中にはネクタイを、国会裏の議員会館まで取りに帰る人もいる。公明党では、国会内の控室(国会対策委員会の部屋)に「貸しネクタイ」を5本用意。ネクタイを忘れてしまった人は利用している。
冷房の温度設定を28度にして、地球温暖化に貢献しようというクールビズ。だが、国会のど真ん中だけ25度というのは、国民の目から見たらどうか。「品位」は大切だが、ネクタイ、上着を着用しても「品位」のない人はいる。
年金の記録漏れ問題など、終盤国会はヒートアップしている。本会議場も、クールビズにして、“冷静な”議論をすることも必要ではないか。
(平成19年6月19日付 夕刊フジより転載)