連載25 保身に走る教育者に何が教えられる!



 
保身に走る教育者に何が教えられる!
 
 
 
 
 
3児の父として 教師のいじめ「冗談じゃない」
 
 悲しい事件が起きた。
 
 高1、中2、小3の3人の子の父親としても身につまされるニュースだった。
 
 福岡の中学2年生の男子生徒が、いじめを受けたと遺書を残して自殺した。しかも、いじめから子どもを守るべき教師が、そのいじめを誘発していたという。教師は「からかいやすかった」と釈明したが、「冗談じゃない」と叫びたい。
 
 「お母さんお父さん こんなだめ息子でごめん。今までありがとう。いじめられて、もういきていけない」とつづられた遺書。どんな思いでこの生徒はペンを握っただろう。教師の言動と自殺の因果関係について、校長はいったん認めながらも翻した。「あなたの子どもだったら、そんな対応できますか?」と聞いてみたい。
 
 20年前にも東京都中野区で中学2年の男子が、「葬儀ごっこ」といういじめで自殺した。「このままじゃ『生きジゴク』になっちゃうよ」との遺書を残していた。4人の教師が加担していたことが明らかになり、社会的な問題となった。
 
 
子供の「サイン」に敏感になれ


 今回の事件が起きて、3人のわが子に、学校でいじめがあるか尋ねてみた。
 
 「うちの学校ではないよ」と明るく答えてくれたのは幸いだったが、全国の小・中・高校のいじめは文部科学省の調べでは昨年度は年間約2万件。児童・生徒の自殺は年間100人以上で推移しているが、いじめが原因とされたのは平成11年度以降はゼロという。
 
 本当にそうだろうか。北海道滝川市で昨年9月、自殺した小6女児は遺書でいじめの被害を訴えていた。ところが1年にわたって市教委は遺書の内容を隠していた。報告をすると責任を問われるとでも思っていたのだろうか。保身に走るような人間が、子どもに何を教えるのか。
 
 教師や学校、教育委員会などの関係者は誰のために存在するのか。それは、子どもたちのためではないのか。
 
 子どもたちの苦痛の声にもっと敏感になるしかない。子どもとの心のキャッチボールが何よりも重要だ。それができない教師は、即刻やめてもらいたい。私たち親も同様に子どもの「サイン」に敏感にならなくてはいけない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(平成18年10月24日付 夕刊フジより転載)
 
 

2017年02月20日