連載130 延長国会は節電で早朝や夕方から本会議を開こう


 
 
延長国会は節電で早朝や夕方から本会議を開こう
 
 
 
 
 
 
 
 梅雨の真っただ中の日本列島。蒸し蒸しする季節だが、永田町、霞が関周辺はノーネクタイ姿がほとんどだ。
 
 今年は福島第1原発の事故による夏の電力不足が懸念される中、環境省はスーパークールビズまで打ち出した。だが、同省が発表した許容される服装をみてみると、ポロシャツやアロハシャツは分かるが、ジーンズは果して涼しいのだろうかと思ってしまう。肌にフィットしたジーンズはかえって暑いのではと思うのは中年の証しなのだろうか。
 
 国会も今年は1カ月早めて5月からクールビズが始まった。衆議院ではこれまで本会議場は上着、ネクタイ着用だったが、今年からノーネクタイ可となった。(参議院はこれまでもノーネクタイ可だった)
 
 衆院の各委員会はクールビズOKだった。委員会で質疑や採決を行った後、本会議場に入るとき、わざわざネクタイを改めて締めなければならなかったが、今年はその手間をはぶくことができる。
 
 国会内も冷房設定28度だが、実は本会議場の空調は古いこともあって良くない。当選したばかりのころ、先輩のオヤジ議員が本会議場に入ると扇子をよくパタパタさせていた。1936年に完成した議事堂だが、本会議場の天井はステンドグラスの天窓になっている。太陽光を採り入れるのだが、これが夏の本会議になると特に暑い。
 
 ちなみに地震で天井のガラスの破片が落ちてきたときのために、イスの下に防災ズキンが収納されている。しかし、本当にガラス破片が落ちてきたら、防災ズキンだけでは身体は守ることはできないのだが…。
 
 通常、衆議院の本会議は午後1時から。これがまた暑さに拍車をかけている。今年はこれまでになく節電が求められている。延長後の国会は、午後の電力ピーク時を避けて、朝早くか、夕方から本会議を開いたらどうだろうか。また、クールビズも徹底し、本会議場の上着着用も変更すべきではないか。
 
 日本中が節電に努力する中、わが家でもエアコンを極力使わないため、妻が緑のカーテンに取り組んでいる。プランターのゴーヤも1㍍くらいに伸びてきた。窓にもネットを張り、ツルが絡みはじめ、さてどうなるか。
 
 私たちが子どものころ、エアコンのある家は少なかった。高校時代、通学で利用したJR(当時国鉄)山手線や中央線も冷房車は少なく、たまたま冷房車にあたると「ラッキー」と思ったものだ。
 
 経済発展とともに電力は空気のような存在になった。この夏はもう一度立ち止まって、ライフスタイルも含めて国民全体で考える季節になりそうだ。
 
 
 
 
 
 


 
 
(平成23年6月21日付 「夕刊フジ」より転載)
 
 

2017年02月20日