連載23 厳しい女性の声は真摯に受け止める
厳しい女性の声は真摯に受け止める
自公連立の7年間を総括
小泉政権が間もなく終わる。自民党は総裁選の真っただ中だが、連立を組むわが公明党も、今月30日の党大会で、執行部交代が言われている。
振り返れば、公明党は平成11年10月、当時の小渕内閣で連立に参加した。あっという間に7年が過ぎたが、この間をどう総括するべきか…。
当事者の一人としては、自公連立を評価する立場だ。7年前、金融危機が叫ばれる中、連立によって政治を安定させながら、経済の復活の流れをつくったのは間違いない。
靖国、環境問題…自民党相手に頑張っているが
だが、それは当事者としての感覚。有権者はどう見ているのか。党の広報担当としてみれば気になるところ。
先日、わが党を支持してくださる女性8人と懇談をした。公明党の連立7年間の評価を率直に聞いてみた。
「靖国問題で神崎代表はかなり引いた物言いをしている。もっとはっきりと(公明党の考えを)言ってほしい」
「政治的な問題について、後になってモゴモゴ言うのはやめてほしい。『公明党なら反対してくれるだろう』と思っていた問題も、『与党だから…(仕方がない)』では、がっかりする」
なかなか厳しい意見が飛び出す。
やはり説明責任はきっちり果たさなければならない。
「循環型社会形成推進基本法も公明党が作ったことを(有権者は)知らない。話をすると驚かれる。携帯電話のポータビリティー制度(10月24日から実施)もそうだ。大事なことはもっとPRしないと…」
環境政策を重視した公明党は連立を組んですぐ、循環型社会を進めるための基本法を提案して実現させた。携帯のポータビリティー制度も15年、党青年局が中心となって1000万人の署名を集めて、流れを作った。広報担当としては「宣伝下手」のレッテルは痛いところだ。
さらに厳しい意見は続く。
「おばさんは、朝から晩までテレビにしがみついてるのよ。そこで出されるイメージで大きく左右されることを、よーく考えてもらいたい」
永田町でいくら頑張っても、国民に見えなければ意味はない。女性の意見は、まさに正鵠(せいこく)を得ていた。
新執行部はこれらの意見を真摯(しんし)に受け止め、スタートを切らねばならない。
(平成18年9月12日付 夕刊フジより転載)