新入社員もフリーターもガンバレ!!
失敗だらけだった記者1年生時代
桜とともに、新入社員を迎える季節になった。今日、2日が入社式だった企業も多いと思う。
読者の中にも「今年の新人はどんな奴がいるか」と、品定めをしているベテラン・サラリーマンもいるだろう。
私も22年前、毎日新聞社の入社式に参加した。「毎日」は面白い会社で、当時の入社試験の資格は、「学歴不問」だった。
同期には大学の成績が「2単位」しかなく、中退して入社した猛者もいた。
かくいう私もマスコミを目指し、2度の就職試験に落ちた。就職浪人を経て、入社したのは25歳だった。浪人時代は今でいうフリーター。運送会社、塾講師、プールの監視員、植木屋…などさまざまな職種を経験した。
バブル崩壊後から就職状況が悪化し、正規社員になれなかった若者が多い。ニート・フリーターと呼ばれ不安を抱いている人もいるかもしれない。
私も浪人時代、同級生が社会人としてバリバリ仕事をしているとき、「おれはこのままで大丈夫だろうか」と不安を抱いたこともあった。
だが、正規社員になっていないからといって、あきらめてはいけない。若い世代はまだ可能性があるはずだ(私たち40歳代もまだ可能性があると信じるが…)。さらに、政治の責任として、若者の就職環境を好転させることに力を入れていきたい。
一方、晴れて社会人になった人も、期待と不安が交錯していると思うが、失敗
を恐れずにチャレンジしてほしい。私も記者1年生の時は失敗ばかりだった。
地方支局からのスタートのため、記事だけでなく、写真も自分で撮らなくてはならなかった。当時はフィルム式のカメラ。ある時、フィルムを確実にセットせず空回りしているのを知らないで、シャッターを切った。暗室で現像をしてみると何も写っていない。「あちゃー」。頭の中は真っ白に。(そんな新人を温かく育ててくれた先輩たちに今でも感謝している)
ともかく、新入社員の皆さんには、多くの失敗を乗り越え、それぞれの企業の将来を担うとの気概で頑張ってもらいたい。
国会は選挙の時しか新人が入ってこないが、国民の代表としては「1年生な
ので失敗しました」と言いわけはできない。与野党合わせて101人の衆院1年生。入社してもう2年近く。“一人前”になっただろうか。
(平成19年4月3日付 夕刊フジより転載)