連載110 時代はクールビズ


 
 
時代はクールビズ
 
 
 
 
 
民主は強引な国会運営を猛省し合意形成のために汗をかけ
 
 「暑い! とにかく暑い!」
 
 先週は最高気温35度以上の「猛暑日」が全国各地で続いた。梅雨が明けてから、日本列島は?熱帯?になってしまったかのようだ。
 
 昔は「猛暑日」なんて言葉はなかった。1990年以降に35度以上の日が急増。気象庁は「夏日(25度以上)」「真夏日(30度以上)」に加え、2007年から「猛暑日」という「予報用語」を導入したという。
 
 これも気候変動の兆候なんだろうか。そういえば子どものころ、エアコンのある家は少なかった。夏の暑さは扇風機でしのいでいた。エアコンは“ぜいたく”といった時代だった。だが、今はエアコンがないと、生きていけない。
 
 さらに“暑い”時代に登場したのがクールビズだ。2005年に小泉政権下で環境省が中心になって打ち出した環境対策の軽装キャンペーン。
 
 今回の参院選でも多くの候補者や政治家はクールビズで対応していた。「たちあがれ日本」の平沼代表のようにスーツにネクタイ姿の方も若干いたが、私も街頭演説で半袖ボタンダウンでノーネクタイ姿で通した。正直、暑さの中でのクールビズは助かる。
 
 17年前の1993年7月。衆院選初挑戦の時は、スーツ、ネクタイ着用で選挙戦に臨んだ。炎天下の中、街頭演説をやると頭から水をかぶったように汗が吹き出した。ネクタイの結び目も汗で固くなり、スーツもびっしょり。移動の車でYシャツ、スーツだけでなく下着も着替えることに。狭い後部座席でパンツまではきかえるので、信号待ちでの停車は「うわっ、とまるな」とハラハラしながら着替えたのを覚えている。
 
 いまやクールビズも定着し、夏の通勤電車内でネクタイ、スーツ姿の人はめっきり減っている。エアコンにしても、クールビズにしても、時代の変化に対応して定着してきた。
 
 さて政治の方はどうか。参院選の結果、与野党の議席数が逆転する“ねじれ国会”となった。
 
 今週末から臨時国会がスタートする。この新しい状況に、与野党共にどう対応していくのか。参院選大敗、はたまた猛暑のために思考が停止してしまったのか。菅・民主党からの発信がめっきり減っているように思う。
 
 まずは政府・与党の民主党が先の通常国会の強引な国会運営を猛省し、合意形成のために汗をかいていくのかが試される。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(平成22年7月28日付 「夕刊フジ」より転載)
 
 

2017年02月20日