自民の中堅・若手「自分たちで選んだ」麻生総裁を支えよ
「鍋」の季節がやってきた。寒い冬、自宅に戻ってホカホカの「鍋」はホッとする。地方によっては特色のある「鍋」がいろいろあるが、読者の家庭でも自慢の「鍋」があるのではないか。
我が家でも先日、久しぶりに家族全員(5人)がそろったので「鍋」を囲むことになった。ところが、何鍋にするかで意見が分かれてしまった。
私「鶏の水炊きがいいんじゃないか」
長男(高3)「えー、トリーっ、豚しゃぶがいい」
長女(高1)「私は白菜食べたい」
私「水炊きにも(白菜)あるよ…」
次男(小5)「とにかくすき焼き!」
妻「私は準備が楽なのがいい…」
なかなか意見がまとまらず、多数決で決着をみることに。結果は「豚しゃぶ」3票、「水炊き」1票、「すき焼き」1票で「豚しゃぶ」の勝利となった。
「でも、英雄(次男)は小さいから、英雄のいうことを聞いてあげないと…」と、私が再提案をすると、次男は一言。「民主主義だから『豚しゃぶ』でいいよ」
へえー、我が家にも『民主主義』が根づいていた。
さて、民主主義を体現しなければならない政治の分野は混迷している。
8日に発表された新聞社の世論調査。麻生内閣の支持率が激減している。朝日22%、毎日と読売が21%。
内閣を支える与党としては、この数字を厳しく受け止め、しっかりと対応策を打たなければならないと思う。ところが肝心の自民党内でゴタゴタが目立っている。
特に中堅・若手から批判が相次ぎ、マスコミをにぎわしている。その中で、森元首相が政権批判に対して次のように述べていた。
「自分たちが選んで2カ月の総裁を守るという気持ちなくして、何で政治家をやっているのか。マスコミに受けたいなら、お笑いタレントでもやればいい」
私もその通りだと思う。9月に自民党は総裁選を実施して、麻生さんを選んだ。もちろん、批判を繰り返す議員の中には、総裁選で他の候補を応援した人もいるだろう。
しかし、総裁選という手続きを経て、選んだからには、自民党の議員として支えるのは当然ではないか。
意見があるなら麻生首相に言えばいい、マスコミに向かって、パフォーマンスをやる必要はないはずだ。小学5年の息子も、たかが「鍋」とはいえ、民主主義の原則を理解している。
政権批判を内側から発信する人たちは、それなりの主張を述べているようだが、「選挙を前にしていかに自分が生き残るか」という「自分党」丸出しに見えてしまうのは、私だけだろうか。
(平成20年12月10日付 夕刊フジより転載)