温暖化防止へ生活様式転換を
クールアース・デー
「天の川」に隔てられた彦星と織姫。年に一度出会うという七夕(たなばた)が間もなくやってくる。
しかし、都会では「天の川」どころか、その他の星々を見ることがなかなか難しい。今の都会っ子にとって、七夕伝説は“お話”の世界かもしれない。
ところが、今年の7月7日は、その七夕伝説が「もしかすると…」という状況になりつつある。7日は北海道・洞爺湖サミットの初日。政府はこの日を「クールアース・デー」としてライトダウンキャンペーンを行っているからだ。
先月9日、わが党の青年局代表が、サミット初日を「みんなで地球温暖化を考え、行動する日」にしようと、クールアース・デーの創設を福田首相に直接訴えた。青年局はこの春から、クールアース・デー創設の署名活動を街頭や携帯電話を通じておこなってきた。
署名を受け取った福田首相は、「大変結構な提案」と反応。ここらへんの言い方は、まさにクール?な首相らしい言い方だが…。その後、「すぐに採用させていただきたい」と電光石火の決断。その日の日本記者クラブでのスピーチで「国民の意識転換を促すものとして、クールアース・デーを設定したいと思ってます」。
政府は、7日の午後8時―午後10時の間、全国のライトアップ施設や各家庭の明かりを一斉に消灯してもらおうと、ライトダウンを広く呼びかけている。
東京でも国会議事堂をはじめレインボーブリッジ、六本木ヒルズ、東京タワーなどのライトダウンが実施される予定だ。これまで昼間のような都会の夜に星空は戻ってきそうだ。
「温暖化防止」「CO2削減」という言葉がサミットが近づくにつれてマスコミに登場する機会が増えてきた。
だが、一度体験してしまった利便性を変えるのは容易ではない。
今、首都圏で走る電車で、クーラーのない車両はどれくらいあるだろう。私が中学の時は「冷房化率」という言葉があったくらいで、夏は扇風機しかない車両で、窓を全開というのが当たり前だった。
そろそろ温暖化防止に向け、個々人のライフスタイルも転換をしなければならない時期に来ているかもしれない。
七夕の夜は、ライトダウンされた街でそのことを考える日にしたいものだ。
(平成20年7月2日付 夕刊フジより転載)