連載50 久間、額賀両氏に説明責任あり


 
 
久間、額賀両氏に説明責任あり

 
 
 
 
対応誤れば新テロ特措法廃案も
 
 ジェットコースターのような政局だ。
 
 7月末の参院選。与党は大敗し、過半数を割ったところからドラマは始まった。強気の安倍首相(当時)はすぐに続投を宣言。ところが9月の臨時国会の開会直後、突然、辞任した。自民党総裁選を経て、福田内閣が誕生。内閣支持率も50%を超える上々のスタートだった。
 
 すると今度は福田・小沢両氏の2回にわたる党首会談。そこで飛び出した「大連立」構想にはマスコミも大揺れした。さらに揺れたのは民主党。小沢代表の辞意表明と撤回の記者会見には「開いた口がふさがらない」と思った人も多かったのでは…。
 
 与野党ぶつかり合う国会だが、得点をかせぐというよりも、失点を互いにしている状況だ。どちらが優勢かと考えているうちに一方がこけている。
 
 そのような中、今度はまた政府・与党側が窮地に追い込まれそうな雰囲気になってきた。15日の参院外交防衛委員会。守屋・前防衛次官の証人喚問で2人の政治家の名前が出てきた。
 
 額賀財務相と久間前防衛相。
 
 防衛専門商社「山田洋行」の元専務と守屋氏の宴席に同席していたという。元専務は既に逮捕され、東京地検特捜部は政治家・官僚との関わりを視野に捜査していると報道されている。
 
 特に額賀財務相はこれまでに2度閣僚を辞任している。1998年に防衛庁の不祥事で問責決議案を出され防衛庁長官を辞任。2001年にはKSD問題で経済財政相を辞めている。そして今度の「宴席」問題だ。額賀氏にとって閣僚ポストは“鬼門”なのか。
 
 民主党は「小沢辞意」騒動で、一時はシュンとしていたようだが、ここにきて額賀、久間両氏の証人喚問要求など、追及姿勢を強めている。
 
 延長した今国会の最大の焦点は、参議院に舞台を移した新テロ対策特措法。今回の「宴席」問題の対応を誤れば、廃案になりかねない。
 
 ここは野党の追及で語るのではなく、両氏は自ら説明責任を果たしていかねばならない。特に額賀氏は防衛庁長官経験者でもあり現職の閣僚だ。
 
 安倍内閣時代も何人も閣僚が辞任した。それは説明責任を果たせなかったからだ。2度目の問責決議案を出されないためにも、ここは正直に語ってもらいたい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(平成19年11月20日付 夕刊フジより転載)
 
 

2017年02月20日