連載34 「復党問題」より「生活実感」


 
 
「復党問題」より「生活実感」
 
 
 
 
 
 
国民の目線で議論を
 
 
 「最近の政治面は面白くない」
 
 友人の1人が語っていたが、一般紙の政治面はどうも読まれないようだ。
 
 私自身は職業柄、毎朝、各紙の政治面をチェックするのが日課だ。だが、友人の指摘のように、サラリーマンや主婦からみれば、政治面の記事はあまり興味がわかないかもしれない。
 
 今年に入ってから、政治面に躍った見出しは、「事務所経費問題」「『産む機械』の柳沢発言」「郵政造反組の自民党復党」など・・・。
 
 読者の側からみれば、そんなことより、「景気はどうなるのか」「自分の生活がどうなっていくのか」が重要。生活に直結した内容であれば、注目して読むだろう。
 
 「一般紙の政治面は永田町の『業界紙』」。小泉前首相の秘書官が言ったと、何かの本で読んだ。まさに至言だと思う。
 
 今国会は、「教育」「雇用」「地域再生」の3つが大きなテーマと公明党は主張した。国民一人ひとりの生活実感から抽出したものだ。だが、衆議院の予算委員会の論戦は、先ほど述べた事務所費や柳沢発言がクローズアップされた気がする。どうでもいい問題とは言わないが、もっと生活実感のともなった議論をしなければ、「永田町の業界紙」どころか政治面そのものも無くなってしまうのではないか。
 
 質問をする側の野党。一方、予算案や法案を提示して現状の課題に取り組む政府・与党。責任は与野党それぞれにある。
 
 そのような中で、安倍内閣の支持率も下がり続けている。理由については、さまざまな要素があろう。
 
 例えば最近話題となった復党問題。年末に郵政造反組の現職議員11人が復党した。そして今回の衛藤晟一前議員の復党問題が浮上。マスコミは今夏の参院選で、自公選挙協力がどうなるかと騒いだ。そんなこともあり、公明党執行部も発言は控えめ。
 
 だが、私自身の考えを述べると、どうせ復党させるならなぜ、年末に現職組とともに一気にやらなかったのか。
 
 国民は分かりやすい説明を求めている。テーマは生活に密着していないが、問題となったものは説明が必要。その分かりやすさが支持率アップにつながると思う。そして、このコラムを読んでいる人だけでなく多くの国民が、「復党問題」よりも生活実感のある安倍首相のメッセージを期待している。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(平成19年3月6日付 夕刊フジより転載)
 
 

2017年02月20日