小沢代表の「コンプライアンス」は
新人研修でも注目
桜の開花宣言が出たものの、しばらく寒い日が続いた東京。3月も今日で終わりだが、ようやく桜も見頃になってきた。
桜前線の北上とともに、明日から新年度がスタート。明日が入社式の会社も多い。景気が落ち込む中、社会人として一歩を踏み出すフレッシュマン。期待と緊張が入り混じっていることと思う。
入社式が終わると、しばらくの間、「新人研修」を行う会社もあるだろう。私も二十数年前、毎日新聞社の「新人研修」を受けた。会社の歴史や記者の心得のようなものを幹部から聞いたが、「座学」は眠かったのを覚えている。グループに分かれ、先輩記者が担当となって研修を受けたが、本社に近い千鳥ヶ淵で花見をやった。今でも「花見」はやっているだろうか。
最近の企業の新人研修では「コンプライアンス(法令遵守)」について取り上げる所も多いと聞く。
近年、不祥事発覚で、信用を失い、破たんに追い込まれる企業も多い。しかも、純粋な法令違反だけではなく、企業倫理も問われる時代となり、「コンプライアンス」が注目されている。
ちょっと前まで学生時代を楽しんでいた新入社員諸君にとって「コンプライアンス」と言われても、とまどってしまうかもしれない。だが、最初が肝心。一歩間違えば、本人の人生が暗転するだけでなく、企業自体も崩壊し、さらには社会に多大な迷惑をかけることを忘れてはならない。
国民が納得する説明を
「コンプライアンス」というと、国家議員は更に厳しくとらえなければならない。ところが、永田町を俯瞰してみると、どうも「コンプライアンス」とは縁遠いと思えてしまう。
民主党の小沢代表の公設第一秘書が政治資金規正法違反罪で起訴された。しかも小沢代表自らが代表を務める政治資金管理団体と、政党支部の問題でもある。
私も何度か小沢代表の会見をテレビなどで見たが、説明責任を果たしたとは思えない。共同通信の緊急世論調査でも、小沢代表の説明を納得できないと答えた人が79.7%にものぼっている。
民間企業は「コンプライアンス」については敏感だ。だからこそ新人研修に取り入れる企業も増えている。法律を作る国会で「コンプライアンス」研修が必要と言われないためにも、国民が納得する小沢代表の説明が求められている。
(平成21年4月1日付 夕刊フジより転載)