財政再建 ムダ省いて“健康”に
わが家に〈Wii Fit〉がやってきた。
ボードに乗って画面の映像に合わせて運動をするゲーム機だ。テレビCMでもよく流れている。
3人の子たちが小遣いを出しあって、ちょっぴり体脂肪が気になっている妻に「母の日」のプレゼントをした。
先日の健康診断で“メタボ”との厳しい結果が…。医師からは「まず体重を落して」と言われただけに私も挑戦。「有酸素運動」「筋トレ」などのパターンがある中で、簡単そうな「バランス・ゲーム」の中の「スキー・ジャンプ」を選ぶ。
徹底的な「継続」重要
両足のバランスや体重移動で滑走のスピードが変わり、踏み切り時に膝をグッと伸ばす。そのタイミングなどで距離が決まる。わずか十数秒だが、画面はまるで自分が飛んでるようだ。
「なかなかおもしろいじゃないか」とつぶやきながら3度目に150メートルの「大記録」が出た。画面の選手のガッツポーズに合わせ、私もガッツポーズ。
ランキングも記録され、第1位に名前が刻まれた。数日後のこと。帰宅して高校1年の娘が記録を破ったことを知らされた。
「ナニっ!抜かれた?」
腕まくりをしてボードの上に乗る。3回、4回…。回数を重ねるが娘の記録に届かない。額に汗がにじんできた。「もう今日はやめたら」。妻の声を聞きながら、ガックリ肩を落してボードから降りた。
肥満度を表すBMIなどの測定値も記録してくれるが、汗をかいているわりには数値は向上しない。結局は体重を落とすのは「継続」しかないと、自らに言い聞かせている。
スリム化といえば日本の財政も危機的な状況。ぼう大な国債残高。少子高齢社会に対応するための社会保障をどうするか。このままでは日本は沈没すると感じている人は多い。
マスコミの報道を見ても「消費税」という言葉が目立ちはじめている。将来の消費税アップの必要性を主張する論調もある。
だが、多くの国民は「消費税アップの前にムダをはぶけ」と感じている。
道路特定財源の審議を通じて、マッサージチェアをはじめ、多くのムダ遣いが指摘された。常にムダ削減に取り組んでいくという不断の姿勢が求められている。
メタボ対策と同様ムダ削減の徹底的な「継続」が重要だ。
(平成20年6月4日付 夕刊フジより転載)