政治の“サプリメント”・・・効果の検証が必要
「健康に良い」「若返る」
その一言で目が輝き、胸が躍る中年サラリーマンも多いのではないか。
日曜夜のTV番組「発掘あるある大辞典Ⅱ」(フジテレビ系)で「○○に効く」などと紹介されると、その食品は翌日のスーパーでは売切れが続出するという。
かくいう私も「健康オタク」の1人だ。
わが家でも、番組を見た後、「明日から○○を買っておいて」などと妻に頼んだりする。ちなみに、今、意識して摂取しているのは、ゴマ、ワサビ、酢。朝食の納豆は、カラシの代わりにワサビ。ご飯やミソ汁などにはゴマをふりかける。
そのほかにサプリメントも、ビタミンB、Cの他、ウコン、カキ(オイスター)エキスの錠剤など何種類も飲んでいる。
「健康のためには死んでもいいって感じね」。妻はそんなことを笑いながらいう。
「10歳若返るワサビ」、「肝機能アップの酢」、「活性酸素を撃対するゴマ」。しかし、それらの食品やサプリが本当に効いているのか…。まあ、食べたり、服用したりで、健康になった気がする。病は気から。その「気」が大切だ…などと一人で納得している次第だ。
政治の現場でも、社会を「健康」にするためのサプリメントがある。法律によって、ある制度を作ったり、変えたりすること。もう一つは貴重な税金を使って、諸問題に対応する財政的措置、つまり予算の編成・執行だ。薬といってもいい。
わが党も政府・与党の一角として、今の社会の問題に対し、具体的な政策を提示してこれまで法律をつくり、予算を執行してきた。
特に連立政権に参加した平成11年秋、日本経済はドン底であった。その後のサプリメントによって経済は復活してきた。人間でいえば体力が回復してきたということか。
だが、まだまだ「健康な日本」にするためにはやらなくてはいけないことは山積している。
これまでの政策も、その時点では効果があると信じて実現してきた。だが、一つ一つのサプリメントや食品が本当に体に効いているのか、「気」だけでなく検証が必要なように、政治もその後の政策評価が大切なのだ。
先日、健康診断の結果がでた。幸いにもどこも悪くなかったが、「中性脂肪がちょっと多いですね。もう少しやせるように」と言われた。
医師の言葉に「健康オタク」の心にさらに火がついたのは言うまでもない。
(平成18年5月16日付 夕刊フジより転載)