連載3 ”挑戦”続けて10年以上 カレー作りはスパイスが大事


挑戦”続けて10年以上
カレー作りはスパイスが大事

 


ストレス解消に

 現代人のストレスは計り知れない。「おれはストレスなんかない」という人も、知らず知らずのうちにたまっている。帰宅途中の電車で、このコラムを読んでいる読者の皆さんもストレスは相当なものだと推察する。
 
  さて、ストレス解消法は人によって千差万別だ。クラシック音楽を聴いたり、ゆっくりと風呂に浸かったり…。
 
 私の知人には楽器演奏で解消する人がいる。40歳を超えて三味線を習いじめたところ、ストレスを発散できたそうだ。その次はドラムスに移り、思い切りたたいてスッキリ。最近ではサックスに挑戦。知人いわく「ストレスが増えるたびに趣味が増えていく」とか。
 
 私の場合は、カレー作りが結構、ストレス発散になる。新聞記者時代にランチで入ったインドカレーの店が忘れられず、カレー作りに挑戦して10年以上になる。
 
  その店は料理人もインド人で、家庭で食べたことのない、何ともいえないうまいカレーだった。
 
 独身時代から料理は苦手ではなかったが、それ以来、本格的なカレーのとりこになった私は本屋に行ってカレーの本を何冊も買い込んだ。そして、レシピを見ながら、何種類もスパイスを買いそろえた。
 
 今では1年に1回くらいしかカレー作りはできないが、これが、何もかも忘れさせてくれる。
 
 その日は朝から台所に立つ。玉ねぎを刻み、バターで約2時間、ゆっくりといためる。木ベラで焦がさないように玉ねぎをかきまわす。その姿を見て、妻が「至福の時間を感じるようね」。
 
 夕方まで時間をかけて本格チキンカレーとともにエビカレーやひき肉のキーマカレーなど3種類ほど作る。食卓はさながらカレー専門店だ。分量が多いのか2、3日はカレーが食卓に並び、3人の子供たち(中3、中1、小2)は2日目から違うメニューを求める。
 
 最初は作るたびに味が変わっていたが、最近はおいしいだけでなく、味が安定していると家族の評判は上々。スパイスの分量が大切で、さじ加減でうま味がだいぶ変わるのだ。

そして政権にも・・・・

 ところで連立政権が誕生して7年目。ピリッとした辛さと、有権者をうならせる「うま味」を加味したスパイスが政治にも必要だ。
 
 自民と公明。違う素材を合わせるためにも厳しいことを言う場面が自公連立政権の“うま味”を引き立てると思う。


(平成17年11月15日付 夕刊フジより転載)

2017年02月20日