連載79  国会論戦も緊迫した好ゲームを


 
 
国会論戦も緊迫した好ゲームを
 
 
 
 
 
WBC日本連覇なるか
 
  いよいよWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の第1次予選(東京ラウンド)が始まる。
 
 5日の中国戦に勝てば、7日には宿敵・韓国戦が濃厚。前回のWBCから昨年の北京五輪まで、日本は韓国に2勝4敗と負け越している。
 
 西武、巨人との強化試合を見て、「大丈夫かな」と不安を抱いたのは私だけだろうか。
 
 松坂、ダルビッシュ、岩隈の先発三本柱。イチロー、岩村、城島らの大リーガーに加え、青木、小笠原、稲葉など28人の代表メンバーは、現時点ではベストだろうと思う。
 
 だが、韓国や前回の雪辱を期している米国、キューバなども、選手をみると、そう簡単に勝てる相手ではない。
 
 しかし、野球というスポーツは有力選手がいれば必ず勝つとはかぎらない。100試合以上のペナントレースと違って短期決戦の場合は、ちょっとしたミスが命取りになることがある。
 
 永田町も2009年度予算案が衆院を通過し、論戦の舞台が参院に移った。
 
 9月に任期満了を迎える衆議院だが、解散・総選挙の時期が刻々と迫っている。しかし、麻生首相自らの「郵政発言」や財務相の「もうろう会見」での辞任など、「チーム麻生」は暴投やエラーで、相手に点を与えてしまっている。
 
 一方、野党・民主党も小沢代表の「第7艦隊発言」により、外交・安全保障分野での民主党の「危うさ」を指摘する声が出ている。
 
 こちらも失点に結びつくエラーになるかもしれない。
 
 永田町という“球場”で繰り広げられている試合に、有権者という“観客”はこれらの報道に触れ、うんざりしているのではないか。
 
 本来、世界的な経済危機に陥っている中で、政治は次から次に対策を打ち出さねばならない。政府・与党としても第1次、第2次の補正予算と09年度の本予算で総額75兆円の景気経済対策を提示した。
 
 ところが、国会論戦の報道をみると、政策の中身以上に、“エラー”や“暴投”ばかりがクローズアップされてしまった。
 
 WBCも「侍ジャパン」のV2を期待すると共に、1点を争う緊迫した好ゲームを見てみたい。
 
 “永田町ラウンド”も敵失による加点ではなく、与野党共に「この国をどうする」といった視点で、国民生活に直結する適時打やホームランによる得点を、多くの国民は期待していると思う。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(平成21年3月4日付 夕刊フジより転載)
 
 

2017年02月20日