連載104 花見の席が”失望内閣”の糾弾会に 問題山積なのに鳩山首相はケロリ



 
花見の席が“失望内閣”の糾弾会に
問題山積なのに鳩山首相はケロリ
 
 
 
 
 
 桜花爛漫の季節。各地で花見が真っ盛りだ。
 
 先日の日曜。私も地元(東京・日野市)の公園で行われた自治会主催の花見に顔を出した。満開の桜の下、ゴザとビニールシートを敷き、50人ほどが参加していた。
 
 宴席の途中、私が公明党の国会議員と知ったうえで、50代の男性が日本酒を飲みながら語りかけてきた。
 
 「オレは民主党を応援しているけど、小沢さんは(幹事長を)辞めた方がいいね」
 
 一方、3月末に米軍普天間基地移設問題の政府案を決めると公言した首相発言が「別に法律で決まっているわけじゃないんだから」とブレたことについて、年金生活をしているという60代の男性は、こう語った。
 
 「会社で何日までに決めますといって、それができなかったら、大変なことになる。ただじゃ済まない」
 
 共通するのは、鳩山内閣や小沢一郎幹事長が牛耳る民主党への辛口評価。最近のマスコミの世論調査と同じ傾向だ。
 
 先月31日の党首討論でも、わが党の山口代表が、次から次へと問題が噴出する鳩山内閣を“失望内閣”と糾弾した。
 
 ざっと挙げるだけでも、「失望」はこんなにある。
 
 ①誰も責任をとらない「政治とカネ」の問題②利益誘導政治の復活ともとれる「個所付け」問題③閣内バラバラの「郵政改革案」④見通しの立たない「普天間基地移設」問題⑤危機管理意識が欠如した国家公安委員長の「軽率な行動」⑥相次ぐ閣僚の国会審議の「遅刻」…。
 
 一つだけでも、政権が揺らぐほどの大問題なのだが、鳩山首相は「ケロッ」としているようにみえる。
 
 「あまりにも問題が多すぎて、追及の焦点がボケてしまう」。党首討論の数日前、議員会館のエレベーターで鉢合わせた野党議員のつぶやきに、思わずうなずいてしまった。
 
 花見から帰宅すれば、大学2年の長男が、あまりにも度重なる内閣の問題に「わざとやってるんじゃないの」と論評するほどだ。
 
 問題噴出で野党の追及を分散化させることで、内閣が延命しても、国民に突きつけられた不安や失望は解消されない。
 
 「反省すべき点は反省したい」。党首討論で山口代表が突きつけた質問に、鳩山首相は殊勝な姿勢をみせたが、ふと昔はやった言葉が浮んだ。
 
 「反省だけならサルでもできる」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(平成22年4月7日付 「夕刊フジ」より転載)
 
 

2017年02月20日