公明党東日本大震災復興加速化本部(事務局長=高木陽介)として、東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)を訪れ、構内で廃炉作業の進捗状況を調査するとともに、原発事故に伴う帰還困難区域を抱える県内の地元町長と意見交換し、住民の帰還実現に向けた方策を探った。
一行は、同原発構内の高台から1~4号機の原子炉建屋を視察。東電の小早川智明社長らは、使用済み燃料プールからの燃料取り出しが残る1.2号機について、1号機は2027~28年度、2号機は25年度中に「取り出し開始ができるのではないか」と説明した。
雨水や地下水の流入で1日約90トン(22年度)発生する汚染水抑制に向けては、さらなる対策を講じることで「28年度までに1日約50~70トンをめざす」と語った。燃料デブリ(溶け落ちた核燃料)の取り出しに関しても、安全に万全を期した上で、できるだけ早い段階で進める考えを示した。
その後、一行は、ALPS処理水の希釈・放出設備などを見て回った。
続いて、福島県双葉町で、富岡、大熊、双葉、浪江4町の町長と意見交換した。
地域の復興・再生へ、各町長は、帰還困難区域のうち、先行除染してきた「特定復興再生拠点区域」(復興拠点)で昨年までに、避難指示が解除されたことなどに触れ「復興はスタートしたばかりだ」と強調。避難を余儀なくされている住民の早期帰還に向けた除染や生活環境整備を求めたほか、財政面などでの中長期的な支援の必要性も訴えた。
加えて、一行は、復興拠点外での住民帰還をめざし、昨年12月から除染が開始された大熊、双葉両町の「特定帰還居住区域」を訪れ、作業状況や課題を確認した。
赤羽本部長は、廃炉について「国を挙げて対応する」と述べるとともに「希望する全住民の帰還を実現できるようしっかりと取り組む」と福島復興への決意を語った。
翌8日は、福島県の飯舘村で内堀雅雄知事と会い、国が震災復興を手厚く支援する「第2期復興・創生期間」の期限が2025年度末に迫る中、26年度以降の復興施策などについて意見交換した。
内堀知事は「震災から13年間、制度・組織・財源を担保していただき、安心して福島の復興を進めることができている」とこれまでの取り組みに謝意を表明。26年度以降の支援継続へ「この1年間が勝負だ。引き続き支援を」と語った。
赤羽本部長は「課題を政府・与党で解決しなければならない」と主張するとともに、「公明党として最後まで寄り添い続ける」と力説した。